外資系で毎日英語を使って気づいた、ビジネス英語の現実

外資系で毎日英語を使って気づいた、ビジネス英語の現実 ビジネス英語・キャリア

「外資系で働くなら、きれいな英語を流暢に話せないと無理」。そう思っている人は多いと思います。私も外資系の会社に入社する前は、すごく敷居が高くて、エリートたちが働く場所なんだというイメージを持っていました。

実際に入ってみると、想像していたものとはかなり違っていました。良い意味でも、悪い意味でも、です。

外資系で英語を使う場面は、実はそんなに多くない

多国籍のメンバーがオフィスで話し合っている様子

私が英語を使う主な場面は3つです。メールを使う場面は数値報告や問題発生時の報告と対応依頼、年に一度やってくる海外からの監査対応(通訳)、そして実務で問題が起きたときにメールでは対応しきれなくなったときの電話会議です。(上層部になると定期的な電話会議がもちろん行われていますが、実務者レベルの話をしています)

「外資系=常に英語漬け」というイメージを持っている人も多いと思いますが、少なくとも私の職場では、日常の大半は日本語で進んでいます。英語は必要な場面で使うツール、という感覚に近いです。

メールについて言うと、数値報告のような定型のやり取りはある程度フォーマットが決まっていますので、慣れてしまえば、英語力というよりも「このパターンを覚えているかどうか」の話になってきます。前任者の送っていたメールをそのまま使えたりするので、一から英語メールを作成することが不要なときも多々あります。英語がそこまで得意でなくても、定型文の扱いに慣れれば十分対応できると感じました。

みんなが聞き取りやすい英語を話すわけではない

これが、一番「想像と違った」部分です。

外資系で英語を使う、というと、ネイティブのようなきれいなアメリカ英語やイギリス英語が飛び交うイメージがあるかもしれません。実際は全く違います。

たとえばITの部門はインド系の方が多く、英語はもちろん流暢なのですが、発音やイントネーションがいわゆる「教科書英語」とはかなり違います。いわゆるインド英語で、インド英語といえば早口で、Rなどの子音も全部「ル」みたいに発音するので、知っているはずの簡単な単語も聞き取れなかったりします。

ここで面白いことが起きます。同じインド系の方でも、よくやり取りする人の英語はだんだん聞き取れるようになってきます。でも、同じインド系でも初めて話す方だと、また全然わからない。発音の癖というのは、国籍よりも個人差の方が大きいんだと実感しました。

面白かったのは、聞き取れないインド系の方の英語を、いつもやり取りしているインド系の方が言い直してくれたことがあったことです。「にゃんかな、彼は〇〇と言っているんだよ」と。これは英語の問題ではなく、もはや「なまり」の通訳でした。これはさすがにシュールで面白いと思うと同時に、「ごめんね」という気持ちで聞いていました(笑)

リスニングは、量より「慣れ」の問題だった

この経験から気づいたのは、英語のリスニングは「英語力」よりも「その人の話し方への慣れ」の比重が大きいということです。

好きな映画を英語字幕で見るだけでリスニング力が上がった話でも書いたように、同じ映画を何度も繰り返して見ることでリスニングが上がった経験があります。これは「英語全体が聞こえるようになった」というより、「その映画の話し方・テンポ・発音の癖に慣れた」という部分が大きかったんだと、職場のインド英語に苦労して初めて気づきました。

聞き取れないのは、英語力の問題だけではない。個人の癖によって聞き取りやすさが変わるということは分かってはいましたし、経験もしたことがありますが、今の外資系の会社に入ってはじめてその事実を痛烈に感じました。

通訳対応という、一番プレッシャーのかかる場面

年に一度の監査対応の通訳は、正直、毎年緊張します。

定型文が通用するメールとは違い、監査は相手が何を聞いてくるか予測できません。専門用語も飛び交うし、答える内容を正確に伝えないといけない責任もある。監査なので、「なんとなく通じた」では済まない場面です。現場で仕事をしているわけではない、専門的なことも分からない私にとっては恐怖の一日です。

それでも、何年か経験を重ねるうちに、少しずつ「この場面ではこういう聞かれ方をすることが多い」という感覚が積み重なっていきました。完璧な英語力よりも、経験の積み重ねと、わからないときに正直に「もう一度言っていただけますか」と言える度胸の方が、実際の場面では役に立っています。「つまりこういうことですか?」と何度も聞き返して、「違う、そうじゃなくて」とイライラされたこともあります(笑)
実は、この監査の方は中国人なので、さきほどのインド人の話と同様、なまりによって聞き取れない単語があり、しつこく、めげずに質問内容を確認する必要がありました。

ここでお気づきの方も多いと思います。にゃんかなの苦手分野はリスニングだと。大正解です。4技能の中でリスニングが一番弱いと自覚しています。

外資系で英語を使って、一番感じたこと

自信を持って仕事をしている女性

外資系に入る前、私は「もっと完璧な英語が話せないと通用しない」と思っていました。

でも実際に働いてみると、完璧な英語力を求められる場面よりも、「今の自分の英語力でどうやって伝えるか」を工夫する場面の方がずっと多かったです。

辞書を抱えてチャットしてたら英語が話せるようになった話でも書いたように、完璧じゃなくても伝えようとする姿勢が先にある方が、実際のコミュニケーションはうまくいく。それは職場でも同じでした。
こちらが一生懸命伝えようとしたり、理解しようとしていると、相手も一生懸命それに応えてくれます。外国人が一生懸命日本語で伝えようとしたり、こちらが話す日本語を理解しようとしてくれると、こちらも真剣にコミュニケーションを成立させようと思いますよね?それと同じです。

「完璧な英語じゃないと使えない」という思い込みを手放すことが、英語を使ったコミュニケーションを円滑にする一番の方法だということです。それはビジネスの場面でも同じことが言えます。

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